創作小説『黒潮』

『黒潮』第8話「黒潮にのって」(終)

「よーし、じゃあ合わせるぜ」 ここはスタジオ。 あの後、僕とマグロは楽器屋に行き、それぞれの"相棒"を迎えてきた。 トラウトの家やスタジオで練習を重ねるうち、少しずつ形になってきて、2日後には初めてのライブという格好だ。今日は、そのリハーサル。 …

『黒潮』第7話「海に届く光」

「いっただきまーす」 遂にこの時が来た。正直、緊張する。 「悪いなートラウト、ご馳走になりまくっちゃって~!」 「くつろげ」 「もちろんよ!」 「せっかくだし、メタルかけない?」 「おっ、いいねー!なんかこれで今日の嫌なこと忘れられそ~、わはは…

『黒潮』第6話「激流と源流」

「えっ…?!」 トラウトが、"あのCD"の製作者を知っている!? 「これは、すぐにマグロには話すことができない話なんだ。その判断を君と相談したい」 「何で僕に…」 「今のマグロを知っている…というのもあるし、他にも事情があるんだ。…君の、お父さんの名…

『黒潮』第5話「再会」

「きたきた」 翌朝。僕とマグロは、中央駅でトビーと合流した。 「さっそく行きましょ」 「おう!」 S区といえば大都会だ。トビーの引っ越すビルはそのド真ん中に構えているらしい。 「こっちこっち」 朝に出発して、電車を何本も乗り継ぎ、腹ごしらえを挟み…

『黒潮』第4話「眼鏡をかけた街娘」

「あ~濡れた濡れた!!」 「ライブ見るのもいいけど、宿も探さないとだね」 「あ、そうだったな…まぁ、ここの人に聞けばどっか知ってるだろ」 到着したライブハウスの中では、歪んだ重たい音が高速で鳴り続けていた。 「なんのジャンルかわかる?」 「詳し…

『黒潮』第3話「それぞれの過去」

「ぐぅ…」 (ブロロロ…)(ドドド…) 「…?」 遠くから、丸い光が2つ近づいてくる。 (ドドドド… …ブゥゥン…) ドドドド…ッ!ゴオオ…!! 「な、なんか来てる…?!ま、マグロ!」 「…あぁん?」 「あれ…何かこっちに…!」 「…! まずい、荷物を…」 バッ! 「よっし、ゲッ…

『黒潮』第2話「山と谷」

「やーっと着いたわ」 「おじゃまします」 時計はてっぺんを回っていた。 最後までライブを楽しんだ僕たちは、そのあと他の人たちと音楽の話で盛り上がってから、歩いて帰ってきたのだ。 「トイレとシャワーここな!」 そう言いながら、金髪はその部屋に駆け…

『黒潮』第1話「下戸の金髪」

街まで出てきた僕は、やっぱり途方に暮れていた。 「このCD」の主が生きているかどうかも分からない。 それでも、探さなければいけなかった。いや、僕は探したい。 まず思い付いた方法は、とりあえず聞かせてみることだ。 しかし、これはなるべく避けたい。…

『黒潮』第0話「謎のCD」

最後に残った棚。こいつを片付ければ、何だかすっきりするかもしれない。 「いてっ」 足に落ちてきたのは、薄くて四角い透明なケース。中に、円盤がはめられている。 「なんだかなあ…」 拾ってみるが、何も書かれていない。まっしろだ。 裏返してよく見ると…

創作小説始めます

唐突な試みですが、このブログで小説書きます。 予定では、10話程度の短~中編。不定期に更新します。 主人公の見つけた謎のCDを巡って、登場人物たちそれぞれの物語を繋げていきたいと思います。 小説執筆初心者が100%趣味で書く話なので、まぁ生温い目で…